最初で最後の児童館のステージ
シングバードの練習会場はほとんど渋谷の美竹ケアコミュニティです。
渋谷駅の東口から徒歩5分ほど。明治通りの宮下公園の向かい側を右に折れ、ゆるやかな坂を上った静かなところにあり、施設は元小学校の跡地を利用し数年前に出来た渋谷区の素敵な建物です。その坂の途中に都の児童館があります。いつも練習の行き帰りに通っていたこの児童館が、渋谷区の合唱際の会場でした。この建物は皇太子(今の天皇陛下)成婚記念に昭和37年に完成したもので、老朽化も目立ち、合唱祭も来年からは駅の反対側に新しくオープンする会場で開かれるそうで、つまり私たちシングバードがこの児童館で歌うのは、最初で最後の機会になりました。
今まで東京都の合唱祭には二度ほど出演しました。近くの渋谷にも合唱祭があると知って一度、数人で聴きに行きました。出場団体の数もほどほどで和やかな雰囲気に好感が持てました。
さて、今回23回目という渋谷区民合唱祭。出場団体は21。私たちは6番目です。曲目は、
バールドシュの |
アヴェ・マリア |
同じく |
聖セシリア賛歌 |
サンドストレンの |
サンクトゥス |
バールドシュはハンガリー語、サンクトゥスはラテン語、で、アカペラ。
ピアノの佐藤深雪さんもソプラノに加わってもらい、10名。初めての会場で、リハーサルのときにあまり響かないことに気づきましたが、あまり緊張もせず、8分はあっという間に経ちました。ほかの団がほとんど日本の作品、あるいは外国の曲も歌詞は日本語、ピアノ伴奏、だったのに比べ、アカペラで原語の私たちは、ちょっと個性的な雰囲気を出せたかなと思います。
シルバーエイジから幼児まで!! みんな歌うこと合唱することが好きなんですね。何より楽しそうに歌っているのがよかったです。
そして「春の小川」の大合唱!!
エンディングの全員合唱は「翼をください」と「春の小川」。二部合唱の響きが客席いっぱいに広がりました。「春の小川」はなんと大正のころの渋谷(代々木)の風景をうたった唱歌なのです! それも、元の歌詞の文語体で歌いました。素晴らしいので引用します。
春の小川 (文語体バージョン) 高野辰之 |
1. |
春の小川は さらさら流る
岸のすみれや れんげの花に
匂いめでたく 色うつくしく
咲けよ咲けよと ささやく如く
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2. |
春の小川は さらさら流る
蝦やめだかや 小鮒の群に
今日も一日 ひなたに出でて
遊べ遊べと ささやく如く
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3. |
春の小川は さらさら流る
歌の上手よ いとしき子ども
声をそろえて 小川の歌を
歌え歌えと ささやく如く
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合唱祭プログラムより引用 |
余談ですが、二番の歌詞の後半が、合唱に遊んでいる私たち(当日、出場した皆さんすべてを含む)のようであること。そして三番の愛らしい歌詞は、そのときステージに立っていた小さなお子さんたち(合唱団の)の姿とオーバーラップしました。
歌が好きということは、ゆたかな感受性を持っているしるしだと、深雪先生が話してくださった記憶があります。たまたま、渋谷を拠点にしていて、この「春の小川」のことを知り、児童館での最後の合唱祭でエンディングに歌った出会いを大切にしたいと思いました。シングバード全員で残れなかったのは残念ですが。梅雨のまっただなかで、とっても蒸し暑い日だったので無理もなし。お世話になった渋谷区合唱連盟の皆様、本当にありがとうございました。
やっぱりときどきはステージに立つのもいいな!
というわけで、無事に合唱祭出演も果たし、ちょうど前後して久しぶりの新入団員を迎えることもできた私たちです。それも2人も!! さらにピアノの深雪ちゃんのお友だち(なんと、おなじ作曲科卒)がアルトの頼もしい助っ人に来てくれることになり、皆大喜び。やはり人数がふえると、歌っている感じが断然心地よいです。これで、来年、共演させていただくレグルスさんの演奏会まで、うれしいパワーですすんでいけそう!! まだまだの私たちですが、どうぞきびしく温かく、見守って支えてくださいますよう、先生、コーラスネットの各団の皆様、よろしくお願いいたしまーす。
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団員募集チラシなど作ってみました。東京(渋谷)方面で、少人数のコーラスを楽しんでみたい方がいらっしゃいましたら、ぜひPRしてください。
まじめで、おっとりしていて、やさしい、という評判の私たちがお迎えします!